『Learn Better』のKindleハイライト
授業の最後に先生はもう一度、男の子を叱る。 この男の子の話には、誰にでも思い当たるふしがあるだろう。宿題がちゃんとできない子はたくさんいる。集中力が続かない子も。実は、この子は私だ。私は授業についていけなかった。成績は悪かった。試験の出来もさんざんだっ Read more at location 85
可能性の域を出ない、あいまいな説明だった。私の学習が遅いのは両親が移民で家ではドイツ語を話していたからだ、という説。聴覚に障害があって、正しく聞き取りができていないからではないか、という説。問題を考え抜いて解決する魔法のような能力、すなわち知能が足りないのだと考える人たちもいた。
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そしてこれもきっぱりと認めよう──私は天才では
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今振り返ると、どうやら私は学習のしかたがわからなかったらしい。自分の思考をどう扱っていいかがわからなかった。自問したり、目標を設定したりすることができず、そもそも何かを知るということの意味からしてわかっていなかっ Read more at location 105
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自分は同級生より努力が必要だということも受け入れられるようになった。長年のうちに集中力を高める方法も見つかり、静かな環境づくりに熱心に取り組むようになった。今でも耳栓は手放せ Read more at location 111
例えば資料を繰り返し読む人は多いが、これは学習のアプローチとしては効果がない。蛍光ペンを使う人も多いが、この効果も研究による裏づけはごく限られて
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ソフトウェアをもらったら、使い方をマスターしなければならない(要点を自分に説明して、理解を自分のものにすべき Read more at location 125
一つめのグループを「チーム・結果がすべて」と呼ぼ
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実験が終わってみれば「チーム・学習メソッド」の生徒の成績は群を抜いており、「チーム・一般常識」の倍近い点数をたたき出していた。しかも彼女たちは実験をはるかに楽しんでいた。「実験が終わってからもダーツをもっと教えて、と私に言ってきた子たちがいるんです
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学習とはつまり理解のプロセス、メソッド、体系なのである。学習とは一つのことへの集中と計画性と内省をともなう活動であり、学習の方法がわかれば習得の度合いと効果は大きく Read more at location 159
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知性──ひいては習得する能力──は目の色が青いのと同じ、遺伝によってもたらされた、後天的には変えられない特性とされてい Read more at location 173
しかし研究からわかっている事実はその正反対で、人は頭の良さよりも努力を褒められたほうが頑張って学習 Read more at location 185
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投げるたびに点数を記録していたが、たったそれだけでも成績は大幅に上がっ Read more at location 194
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ウェブサイトにピザ屋の住所が載っているのを見つけたとしたら、店の住所そのものよりURL( greatpizza.com) のほうが記憶に残っている可能性が Read more at location 204
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ほとんどの人にとって、今大事なのはデータそのものではなく、そのデータを使っていかに思考の質を上げられるか Read more at location 214
もっと厳密に言うなら、新しいスキルをいかに効果的に習得するか。複雑な問題をどうすればもっとよく理解できる Read more at location 215
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長きにわたって希少な手書きの写本に、グーテンベルクの活版印刷機が発明されてからは色あせた書物にしかないものだっ
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テストで好成績を上げるといえば、教科書に載っている事実の詳細を勉強し、年号を記憶し、等式を暗記することだった。 Read more at location 236
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成功するには単純な手順やノウハウを身につけるだけでは不十分だ。現代の世の中では学び方を知り、思考のスキルを身につけなければならない。思考のスキルこそが大事なの Read more at location 245
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編み物を学ぶなら、編み物の達人の発想ができるようになることをめざしたい。スキューバダイビングに行くのなら、一流のダイバーの判断力を身につけてみよ
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だがコンピュータに自動車の運転は絶対にできないだろうと彼らは考えた。二人の経済学者からすると、自動車の運転はコンピュータが行うにはあまりに高度で複雑だというの
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具体的には、「非構造化問題」〔解を求める手続きがはっきりしない問題〕 の解き方を知る必要があるということだ。コンピュータエンジニアであれば、マニュアルに説明のない技術的問題に取り組めなければならない。言語療法士であれば、原因が簡単に解明できない言葉の問題を抱えた子どもの支援ができなければなら Read more at location 275
新しい情報をうまく活用することにも長けていかなければならない、とマーネンは言う。広告代理店の人間なら、朝のニュースをクライアントがどう利用できるかを説明することが重要なスキルの一つに数えられるかもしれない。証券マンなら、気候変動が穀物の売り上げにどう影響するかを読み取れることが重要なスキルとなるだろ
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課題に取り組んでいるときには、状況の簡潔な要約を書くとよい。問題を明確に定義することで、積年の謎や課題が解決しやすくなることがある。本書では、勉強会や反省会の効用といった、マネジメントのヒントもいろいろと取り上げる。リーダーシップとは要するに人が成長するのを助けることだから Read more at location 286
学習の方法を学ぶことは、専門家が言うところの「究極のサバイバルツール」、つまり、現代において最も重要な能力の一つであり、あらゆるスキルの前提となるスキルで Read more at location 291
あまりにも多くの地域で、学力レベルの高低に関係なく、教育機関がスキルの習得を支援するように作られていない。もっと率直に言えば、本当に大事なことにお金が使われていないところが多
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自己テストのような練習法を考えてみてほしい。この手法が成果を劇的に押し上げる、場合によっては五〇パーセントも成果が高まることを示す、決定的なエビデンスが存在する。ところが学生たちはこのアプローチをめったに利用せず、教科書を読み返すほうを Read more at location 318
本書はよくある「アメリカの教育システムのここがおかしい」と指摘する研究書ではない。その類いの政策提言はもう十分に世に出ている。それよりも、私は学習のプロセスについてあらましを述べ、どうすれば最も上手に学べるかを説明し
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価値を
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目標を設定
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能力を
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発展さ
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関係
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再考
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一つは、学習とは頭を働かせる「活動」という面が強く、積極的に関与するほど学びも深まるということだ。新しいテキストを読んでいるときは、自分に問いかけをしよう。このテキストは何についてのものか? 筆者が伝えたいポイントは何か? わかりにくいと思われるところはある Read more at location 353
同時に、学習を管理してほしい。フィードバックをもらっているだろうか。自分のパフォーマンスをベンチマークしているだろうか。スピーチをするなら、自分の動画を撮ろ Read more at location 356
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感情が果たす役割も大きい。学習は純粋に理性的なもの、深い論理と研ぎすまされた推論思考の世界だと考えがちだが、私たちの脳はそのようには働か Read more at location 366
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ブロックを使って自分の手で作りあげた、お気に入りの小説のワンシーンや大好きなテレビ番組でおなじみの電話ボックスに、彼は目を輝かせていたの
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フレーム越しに世界を見ている。自分が価値があると信じる活動に従事しているの Read more at location 411
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意味が重要な理由はもう一つある。理解の第一歩だからだ。専門知識に自分とのつながりを作るとき、私たちはその意味を理解し Read more at location 415
意味の価値は脳にルーツがある。私たちの心は豊かで複雑な存在であるが、物語の語り手のようなものとして活動している。私たちはたえず映画監督のように、何らかの物語、何らかの理解、何らかの意味を創造しているの Read more at location 417
作品は彼が子ども時代の自分に思いを寄せるよすがだった。それは価値のある何かだった。
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ところが一般的に言って、統計学をマスターしたいという欲求は生来備わっているものでは
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学生たちに次のようなお題を出した。自分の生活で統計学を使うシーンを想像できますか? 看護師、営業マン、管理職という職業に就いて統計学を使う自分を想像できますか? 学生たちはノート一~二ページほどの短いエッセイを書いた。
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もちろん、意地の悪いコメントをしたためる高校生も少しはいる。「時間の無駄じゃん」と、反感をあらわに書いてきた者もい
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ひらたく言えば、大事だと言うだけでは不十分だ。むしろ、情報に価値があるとただ言うだけでは逆効果になる場合もあることにフルマンは気づいた。人はこう感じるべき、こう考えるべきと指示されると、脅されているとか過剰に管理されていると感じかねないから Read more at location 483
話題がモルジブ諸島であれば、クリントンのような手練れの演説者は聴衆に、あの国に行ったことがあるかと巧みに質問するかもしれ Read more at location 491
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学習するとき、私たちは自分のいる世界を理解したいのだ。知識の空白を埋めたい、価値を見いだしたい。だから意味には自己永続的なところがある。つまり、統計学について知れば知るほど、統計学というものについてもっと知りたくなるの Read more at location 496
性格も違えば、趣味、生まれ育ち、心配事も異なる。とはいっても、学ぶものをいつも選り好みできるわけでは
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あるセント・アンドリューズ・エピスコパル・スクールでは、従来型の試験からビデオ制作まで、学習の成果を示す
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が
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教えない
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学びたいからだ。価値を求める生き物として進化したから、人は価値を Read more at location 612
探求心は「情動システムの根源」だという。パンクセップによれば、人間の情動は探索への衝動によって動く。感情は探求心のバロメーター的な役割を果たすことが Read more at location 621
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探求は食事、睡眠、セックス、愛と同じくDNAに刷り込まれた行動で Read more at location 626
・組み上げるより探す、してしまうのは、仕方がない
・不毛じゃないけど、新しいもの、は作れないことを知って自分を制御する。
できれば安全な水槽が欲しいけど。
小一時間も費やすのは単なる時間の浪費ではない(そういうことも多いが)。ある種の短期的な喜びをもたらしても
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私たちは自分が何を知りたいのかを見きわめようとしているのだとも言える。欲求を育てているの Read more at location 643
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ではその場限りのモチベーションはどうすれば深層的モチベーションになるのだろうか。答えは価値の概念に戻ってくる──結局モチベーションを罠として機能させるのは、やるに値するという感覚なの Read more at location 655
仕組みを解明してみせた。モチベーションは最初の段階ではたいがい、その場の状況から生まれた興味にすぎ Read more at location 659
第三~四段階では、モチベーションに自分ならではの意味合いが強まって
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さらに、学習の難易度が上がったら感情面の支援が必要になることも知っておきたい。やりとげるためには探求システムをうまく管理する必要が Read more at location 672
燃え上がらせるには情動の火花が必要だが、管理しなければたちまち消えるか、燃えすぎて手に負えなくなる。つまり探求心が足りなかったり、ときめきが足りなかったりすると、知りたいという欲求はなく Read more at location 674
私たちは「火の仕組みを知らない人たち」のような記事を読んで家族や友人にツイートするのだ。 その意味では、仲間の存在が価値を増幅させて Read more at location 681
テスト不安が良い例だ。テストを前にして不安を感じている学生は、親しい友人がいるほど良い結果を Read more at location 728
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学習に打ち込む者が一人いると、他の人間も学習に打ち込むように
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もっと問題なのは、専門知識がモノ、先生が持っていたり本に書いてあったりする、外にある何かだと思われがちなこと
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ところが脳の仕組みはそのようにできていない。脳はよくコンピュータにたとえられるが、実はこれは正しくない。その発想でいくと、まず単純にハードドライブの容量を増やせば頭が良くなりそうだ。また、脳が受動的に情報を受け入れるだけということに Read more at location 792
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簡素な一本道──例えば未舗装の土の道──を通すのは実に簡単だ。愚直に行き来を繰り返せばよい。学習も同じだ。基本的な概念やスキルはだいたい習得し
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意味を重視したアプローチ──各単語について心地よく感じるかを考える──に頼った学生のほうが、単語に入っているgを数えただけの学生より記憶する単語の数が多かっ Read more at location 805
対象について学ぶ意思があるかないかは関係なく、
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ある専門分野を理解していれば──つまり思考を変化させられていれば──どんな状況でも応用が利くの
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珠算式暗算は学習を「活動」、すなわち能動的なプロセスにする。認知能力を関与させる学習アプローチほど──例えば問いに答える、説明する、体を動かすだけでも──成果は上がると示唆する新たな研究がたくさん出て Read more at location 858
彼は他人について「失敗した」という言い方をしない。「理想には少し届かなかった」と言う。人に最初から悪意があったとは考え
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(例えば「mais ● n」)、覚える確率ははるかに高まる。「o」を加えて単語を完成さ
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読んでいることを頭の中にイメージとして思い描けば──文章を頭の中に描き出せば──記憶に残り
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内容を自分なりに要約したときに、知識の創造という手順を踏むので、情報を記憶しやすくなるはず Read more at location 884
自分で自分に問題を出したり、自分に説明してみたりするような、能動的な学習活動が最も効果が高いと話してくれ Read more at location 891
★Note: マーカーでも、音読してみるでもなく。
例えば授業中、彼女は頻繁に全員にクイズ式の質問に答えるよう呼びかけ、ランダムに学生を指名した。また学生を二人一組にして、「植物が土から養分を摂れない場合はどこから摂りますか?」といった質問に少人数のグループ単位で答えさせ Read more at location 897
★Note: ⇒これ、当てられなくても、「自分の頭の中で答えを考えちゃう子」って、すごく伸びやすいってこと?
文字をただ見て覚えたり、キーボードでタイプしたりするだけの生徒よりも、体系的な理解が進むことがわかっている。手を動かして文字を書くこと
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このような生徒は読み方を覚えるのもはるかに早いことが研究で証明されて
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ある概念を自分自身に説明するとき、私たちは頭を活動させており、やはりよりネットワーク化された形で知識の習得ができることが研究で示されて Read more at location 951
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誤解してほしくないが、ただ熱心に取り組むだけでは不十分だ。学習に積極的に取り組んでもあまり身につかない場合がある。言い換えると、単にパンチを繰り返すだけでは、ムエタイに習熟するとは限らない。頭の働きを活発にさせるために動き回る必要があるわけでもない。じっと座ったままでも対象に深く関与することは Read more at location 955
両親や昔の友人とはつっかえながらも日本語で話すことができるが、書くスキルはほぼ完全に失った。母語と実質的に縁が切れてしまったのだ。
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完全に忘れてしまったわけではない。例えばオオタは今でも基本的な表現を思い出して書くことができる。消失してしまうのは意味 Read more at location 978
複雑に絡まった相互の結びつきがほどけて
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たえず価値を意識しておかなければならないということだ。頭を働かせる「活動」をしていても、習得をめざしていなければ私たちは学習しない。 Read more at location 989
マインドフルネス、つまり積極的な価値の探求が必要だと話してくれた。ランガーによれば、このような思考態度、視点は、単に注意を向けることではない。その体験の新しさを強く意識する形で体験に関与する必要が Read more at location 1005
脳の「自動操縦」モードをスイッチオフにして、能動的に専門知識を探求しなければならないの Read more at location 1007
関与の姿勢を育てるうえではフレーミング〔物を見るときの Read more at location 1009
学習そのものに意識を向けるためには何らかの刺激のようなもの、知覚の
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母国についての評価が低いと母国語を忘れ
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それはマインドセットが思考を変化させるからくりが、きわめてわかりにくいこと Read more at location 1030
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スキルを習得しようとしているときはニュアンスに注意すること。学習するためには、専門分野に元からあったものは何か、新しいものは何かを能動的に追わなければなら Read more at location 1034
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外科医も損傷した前十字靭帯の修復ばかりに目を向けるべきではない。少しだけ探求する時間をとるべきなのだ。それが発見につながる。別の新しい筋肉が見つからないとも限らないではない
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この章で書いてきた考え方には一つ問題がある。意味の創出には危険な側面があるということだ。学習者は当然、専門家ではない。だから価値のないところに価値を見いだすような、お粗末な結論を出してしまう場合が Read more at location 1043
★Note先生は必要、教師、教育者、コーチ
もっと現実的に言えば、学習には指示が必要で
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発破をかける度合いだ。教育者が学生のがんばりや教材への真剣な取り組みをどれだけ後押しするか、で
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この第二の要因は学生が自分との関連性を感じられるかどうか、学生と教師の間の個人的つながりの感覚がポイントだ。 Read more at location 1078
教師を「認知力のコーチ」と考えるべきだと主張している。ワイマンは「教師」という言葉が単に情報を伝授する人だと思われすぎて Read more at location 1085
調査期間が三カ月に満たない研究はすべて無視した。有意の結論を導き出すには短すぎるからだ。また、事前テスト、事後テストを必須とした。さらに、ランダム化比較
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このプログラムの成功の秘訣は当時も今も変わらず、目標設定にある。生徒たちは学習予定のテーマを確実に学習できるように、何度でもグループ替えされる。ついていけない生徒は必ず個別指導を受ける。カリキュラムは鍵と鍵穴のようにぴったりと噛み合うべく組まれている。生徒の特定のニーズに合わせて専門家に執筆してもらった、独自の教科書まで出して Read more at location 1132
つまり指導なしの学習──が優れていると回答した。 ここで私が言いたいのは、何も考えずに学習してはいけないということである。創造性と発見はやはり重要 Read more at location 1142
学習を進めながら計画を変更するのはかまわないが、計画は絶対に必要です」 Read more at location 1174
知識を習得するには、知識やスキルを消化できる大きさに分割し、一つひとつの習得に集中しなければならない。要するに、新しい専門知識が脳の入り口を通れるようにし、長期記憶にしっかり保存されるようにしてやる必要があるの Read more at location 1203
さらに私たち自身の思考も認知力の容量を占有する。心配事が知識の習得の大きな障害となりうるのも、短期記憶の容量が限られているため Read more at location 1222
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上り坂の走りを改善する」など具体的なことに的を絞ったほうが効果が上がりやすい。シナリオ作家の場合も同様だ。上達するには、「感情のこもった会話がうまく書けるようになる」など、特定の絞り込んだ要素に集中すべきだ。 「教育者の価値」がここで大きくものを Read more at location 1240
もう一つ非常に重要な要素に注目しなければならない。知識だ。私たちは今ある知識のプリズムを通して物事を理解する。だから必ず、すでに学習したことが土台となってこれからの学習を Read more at location 1258
個人指導は他の教育法に比べて二倍の効果があると指摘し
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個人指導が効果的な理由である。いくつかの理由はわかりきっている。先生に一対一で目をかけられれば、フィードバックがたくさんもらえる。生徒の動機づけもしやすい。生徒が何に意味を感じるかが先生にわかるから Read more at location 1278
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土台と考えてほしい。知識は理解という建築物を構成するレンガと 漆喰であり、学習成果を予測する最も重要な手がかりの一つで Read more at location 1296
なぜそうなるのかというと、脳が長期記憶の中に経験を保存するために雛型を作るからだ。厳密には、脳は新しい情報を以前からある情報と「束ねる」。古い知識を使って新しい知識の理解を助けるのである。短期記憶に情報を受け取ると、その情報は長期記憶に送られ、そこで理解という広いコンテキストの中におさまる。 Read more at location 1300
事実情報は単なる思考のための知的燃料というだけではないことがわかっている。知識と思考は脳の構造の中で混ざり Read more at location 1316
スペイン語をまったく知らないなら、まず「hombre〔男性〕」、「cuarto〔四番目〕」などよく使われる単語のような基本的な事実情報の学習から始めるのがいちばんよい。ギターの学習を始めるなら、コード進行のような基礎を覚えるの Read more at location 1321
学習は静的なものと思われがちだ。スキルを習得したらそれで終わり、と。だが、学習の性質、専門知識の性質は動的なものである。専門知識を習得するには、自分のスキルより少し背伸びしたレベルで学習しなければならない。もっと率直に言ってしまえば、学習にコンフォートゾーン〔楽をできる領域〕 はないので Read more at location 1334
私たちはみな、実力の少し先に学習の目標設定をし、常に前よりも少しだけがんばらなくてはならないのだ。 Read more at location 1383
その一つの手法は、あるテーマについて新しく学ぶ前に、そのテーマについて知っていることを書き出すというものだ。例えばグリル料理のスキルを磨きたい場合、「少し脂肪のついたステーキ肉を選ぶ」、「強火で焼くのがよい」、「肉汁が出ないよう、フォークではなくトングを使う」といったことを Read more at location 1416
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は新しい学習ツールを開発した。複雑な概念をもっと絞り込んだ、ネットワーク化した形で見せ、身につけるべき一連のスキルがありありとわかる具体例を添えたものだ。
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例を増やすのが、つながりに気づかせる強力な方法だということだ。多数の具体例を示すことによって教材が一貫性を保ちつつ細部まで落とし込まれ、知識を体系的 Read more at location 1447
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相手が自分の専門知識を一度にすべて説明できたとしても、私たちには受け止めきれない。与えられる新しい情報が多すぎると、脳が容量オーバーになって Read more at location 1494
専門領域の根底にある思考を解き明かし、わかりやすく絞り込んだ形で説明している教材も必要で
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興味深いことに、このような焦点を絞った知識形成は知ることそのものを超える。焦点を絞った知識形成は私たちの情動にとっても重要なので Read more at location 1503
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メタ認知には二つの面がある。一つめは計画だ。自分がわかっていることを知るにはどうすればよいだろう? 自分の目的は何だろう? もっと事前知識が必要だろうか? 二つめはモニタリングだ。この概念を別の方法で学べなかったか? 自分は前に進んでいるだろうか? なぜ自分は今やっていることをやっているのだろ Read more at location 1541
実は初心者も専門家に劣らずこのようなメタ認知思考を頻繁に必要とする。メタ認知的な問いかけをするのが早いほど、新しいスキルの習得も早くできる。 Read more at location 1547
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だから問題は、学んだ先から忘れていくことではない。熟考について熟考しないことだ。理解するためにもう一歩踏み込んでいないの
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自分の思考を上手に管理できる学生のほうがIQの高い学生より試験の成績が上回る場合があると
Read more at location 1555
うるう年について自分には何がわかっているか? うるう年を人はどのように理解するのだろう? そもそもなぜうるう年と呼ばれているのだろ
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計画とモニタリングであるとすれば、情動についても同じ作業が求められ、「自分はどう感じているか?」、「このタスクはフラストレーションがたまるか? 怖いか?」と自問する必要が Read more at location 1583
だが情動は大人の学習でも大きな役割を演じる。何を学習するかが感情で決まることは Read more at location 1587
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学習──そして思考──においては、情動が理性を使うべきかどうかを判断する「門番」の役割を果たしていることが分かって Read more at location 1612
情動は理性のループの中に
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例えば社会的苦痛は肉体的苦痛と同じ脳の回路を通る。また、情動の苦しみは肉体の苦しみと同じ神経系を刺激する。孤独感のつらさと指を切った痛みの間に神経にとっての違いは Read more at location 1618
例えば肉体的に不快感がある人の目には他の人々の顔が実際より怒っているように見える。人に赦しを促すと、罪をあがなった解放感から体力テストでふだんより高く跳躍する。私が気に入っているのは、無作為に選んだ対象に中指を突き立てると、それと関わりを持った経験がなくてもいい感情を持たなくなるという話 Read more at location 1623
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今度、幾何学の問題に出くわしたら──建築図面でもいい──問題の要点について理解を深める方法として、図を指でなぞるといい。研究者によると、手の動きによって図が理解しやすくなり、学習が促進されるという。 Read more at location 1629
情緒が不安定だとスキルが身につかない。ストレスを感じていると思考が落ち着かない。情動によって学習の成果が落ちてしまう場合があることを示す研究は多数ある。悲しみや鬱、肉体的な不快感があるだけでも、専門知識は定着しにくく Read more at location 1640
スターティングゲートに立つ前から、斜面を滑走する自分を想像する。すべてのゲート、すべてのコブ、すべてのターンをイメージする。覚めたまま見る夢のようなもので、自分の滑りを「徹底的に」観察したので Read more at location 1648
自信が深まり、やがて大会に対する感情にも良い影響を及ぼせるようになった。「疑いが自信に変わり、不安が集中力に変わりまし Read more at location 1652
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心理学教授、
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自己効力感は一般的な自信とは異なる。自尊心の問題ではない。限られた特定のタスクをやりとげられる、これからやろうとしていることで良い成果を達成できるという信念を核とする概念 Read more at location 1664
自己効力感は学習につきもののフラストレーションに対する緩衝材の役目を果たす。これから達成するものがわかっていれば、挫折や気を散らすもの、傷ついた感情への対処力も、学習に必要な一心不乱の集中力も Read more at location 1673
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人は学習するとき、「自分は十分にやれているか」、「失敗するのではないか」、「間違っていたらどうしよう」、「もっと他にやるべきことがあるのではないか」など、つきまとってくるさまざまな感情への Read more at location 1676
Read more at location 1680
明確な目的がある人のほうが、「いい仕事をする」のような漠然とした願望だけの人より良い結果を出すことが、実に何百もの実験によって証明されている。目標を設定すると達成確率が Read more at location 1683
情動の管理方法としてもきわめて優れている。 一方、気持ちのモチベーションを維持する必要もある。これに関しては、自分への語りかけが重要だ。その際、黒か白かの両極端な思考は避けなければなら Read more at location 1690
私は悪戦苦闘しているところだ」と語りかけよう。また、少しでも前進したら見逃さず、どんなに小さな成果でも「今日は三時間やった」
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テイラーいわく、学習とは「心の目で成功を実感すること」である。 Read more at location 1707
ソンは考えている。「親の仕事は子どもを不安な状態、答えがわからない状態に慣れさせることです」とソンは話してくれた。「学生たちだって自分なりに苦しんで考える機会を一度も与えられないと、将来そういう苦労に耐えられなくなるかもしれないでしょ Read more at location 1728
知識の核心部分をわざと教えず、子どもたちの学習を促すことがよくあるそうだ。例えば科学の学習であいまいな返事をしたり、子どもに聞かれた数学の事実情報を正しく答えなかったり Read more at location 1731
研究者として、私は自分の子どもに答えは与えない方針なんです」。彼女は言った。「ヒントだけ与えます」 ソンのアプローチの根底にあるのは学習とは頭を働かせる「活動」であるとする考えで、ソンは自分の研究室でも同様の効果をまのあたりにしていた。認知能力を活用するほど、得るものは Read more at location 1735
長期的な学習力を最大化するためには、自力で学ぶ必要があるんです」 Read more at location 1744
★
Read more at location 1745
時とともに他の人たちの私に対する期待値が上がり、私も自分にもっと期待するようになった。大学での最初の授業の前に、心の準備をするために誰もいない大学の教室に忍び込んだのを覚えている。無人の教室で空中に漂う塵の中、並んでいる椅子の間にたたずみ、私は家族や友人の励ましを思い出して、「負けないぞ。誰よりも努力するんだ」というようなことを自分につぶやいた。 Read more at location 1762
今にして思えば、自分を奮い立たせたそのセリフはあまりにも仰々しくて、十代の妄想めいていた。たかが大学進学、文明が崩壊するわけではない。だが私たちにはこうした自分自身を勇気づける行動が必要なこともたしか Read more at location 1766
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Read more at location 1782
学ぶ準備はできているか? 自分が知っていることをわかっているか? 学び足りていないことが何かわかっているか? 次に学ぶことは何か? このような目標を絞り込んだ、メタ認知的な焦点の当て方が、新しい分野で知識を習得しようとするときの要で Read more at location 1820
★
Read more at location 1822
だが学習とは前に向かって進むものだ。感情面で前進するので、理解するほどに自信がつく。認知面でも前進するから、理解するほどに自由度の高い活動を求めるようになる。専門性が高まれば、新規性のある、非構造化問題で知識とスキルを実践したく Read more at location 1823
なぜ数回のレッスンでこれほどの効果が出たのか。サミュエルズは超天才インストラクターだったのか。バスケットボールから離れていた数十年の間に世の中で行われている練習の質が変わっていた
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何を学ぶか、そしてどう学ぶかがわかったら、今度はその習熟度を伸ばすことにとりかからなくてはならない。もう少し正確に言うと、フィードバックの循環に入って、体系的にスキルに磨きをかけなければならない。 Read more at location 1878
小学校を卒業してからは真剣に字の練習をすることはないものだ。そのため「g」と「s」の見分けがつかず、文章は虎の爪痕のように見えてしまう。医療の世界では字の汚さが原因で年間七〇〇〇人の死者が出ているという
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何を向上させるべきか明確にわかっていないために、時間を無駄にしているだけ」の人がほとんどである、とエリクソンは私に語った。 Read more at location 1900
ミスを書き出す、つまり、フィードバック・システムを作ることによって、チームのミスは大幅に減った。効果は即効性があり、バーンスタインのチームの手術中の過失率は最初の一年で激減し Read more at location 1921
モニタリングとは要するに気づきの一形態であるという。結果を記録するためには何が起きているかに気づかざるをえ Read more at location 1925
自分のパフォーマンスにほとんど注意を払わない人が多いものだが、自分のパフォーマンスを記録していると、向上に意識が Read more at location 1942
意外にも患者数が増えると概してミスの数は増えるより減ることもわかった。さらに、チームに新しいスタッフが入ってもミスの数が目立って増えはしないことも証明され
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頭蓋骨の一部を、手術中に床に落としたことがある。「痛恨のミスだった」とはその経験を語るバーンスタインの言葉だ。 それでも、このように意識の焦点を絞ると成果は向上
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少なくとも週に一回は体重計に乗り、毎食の摂取カロリーを記録して
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最も効果の高いフィードバックは、まず答えが間違っていることを示し、それから軽いヒントを与える(「雄鶏を意味する正しいスペイン語は〈g〉から始まります」)。相手がそれでも正しい答えを考えつかなければ、ヒントを順に与えていき(「ga」など)、正しい答え(gallo) に Read more at location 2009
ミスの後のフィードバックであろうとなかろうと、単に事実や概念を繰り返し提示するのは、学習者に情報を『創出』させるのと比べるとはるかに効果が低いのです」と認知心理学者のボブ・ビョークは Read more at location 2015
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では質の悪いカリキュラムとはどんなものか。フィードバックがお粗末で、練習問題と教科書は生徒に単純に答えを与えてしまい、思考を組み立てることを促さない。質の低い教科書はテーマの扱いが広く浅くになりがちで、一つのテーマでみっちりと練習を積むことができ Read more at location 2023
人は説明を必要とすることだ。学習するためにはなぜ自分が間違っているのかを理解し、自分の考え方へのフィードバックをもらう必要が Read more at location 2036
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研究者のロバート・ゴールドストーンが先日ソフトウェアを検証したが、このアプリで身につく代数の基礎力は「ギターで言えばチューニング程度」ではないかと話してくれた。 Read more at location 2095
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だがさらにもう一つ理由がある。専門分野を身につけるには反復が必要だということだ。専門分野の力を伸ばすためには、その専門分野に何度も、できれば何通りもの方法で取り組む必要がある。これはスポーツの世界を見ればある程度わかる。テニスのサーブを一回でマスターする人はいない。半日で棒高跳びの技術を習得する人はい Read more at location 2106
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検索練習と呼ばれるこの方法は、記憶に関する最近の文献によく取り上げられ、時には他の学習法を五〇パーセントほども上回る効果を上げて Read more at location 2151
具体的に言うと、検索練習は選択肢から答えを選ぶ問題とは異なる。むしろ頭の中で三つの文からなるエッセイを書くのに Read more at location 2159
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ここには、人間がどのようにスキルを伸ばすかについての重要な示唆が多数含まれている。その一つとして、頭の良し悪しの決定要因は一般に考えられているよりもはるかに少ない。脳は生まれた時点で確定してはい Read more at location 2208
しかしこの分野の研究で最も重要なのは、脳が新しい構造を作っていく具体的なメカニズムだ。脳はどうやら知的な苦労に対処しようとするときに白質を作るらしい。自分が知っていることとできることの間に大きなギャップがあると、脳はそれに対処しようと構造を変化さ Read more at location 2213
思考よりも表面的な行動だけに注目する消極的な学習モデルでは、ミスはミス以外の何物でもない。ミスは正しく学んでいないことの証明、失敗はやっていることが間違っているしるし
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試合に向けた練習をしていれば、間違うことはよくある。 大事なのは、間違いが意味を創り出してくれること Read more at location 2240
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えっ、ちょっと待って、本当? キャンベラがオーストラリアの首都?」という反応になるのではないだろうか。 しかしこの「ガーン」という感覚が学びだ。理解に変化が起きた合図なの Read more at location 2245
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もちろんここに問題があることは否めない。ミスが好きな人などいない。間違うと強烈に痛い思いをし、恥ずかしく、自信をなくす。言い間違いをしたり、頼まれごとをしそびれたなど、ごくささいな失敗でさえ、何年も頭を離れなかったり
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しかしもちろん時として、ジョーダン・エレンバーグのような、知能の正規分布曲線から逸脱した、突出した天才は現れる。だがここには裏がある。天才とて苦労しなければならないのだ。天才たちもスキルを伸ばすために間違いをおかし、悩み、手探りする時間を Read more at location 2268
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間違いを禁じることは疑うことを禁じるのに等しく、深い思考を奪うと説いている。ミスは真剣な思考に欠かせない、まさに人の常だと彼女は
Read more at location 2285
避けられない一部であるなら、それに対する備えが必要だ。これは学習の世界では新しい考えだが、スポーツの世界では何百年も前から常識で
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オリンピックの試合前、ブルックス監督は選手を集めて、心のレジリエンス〔困難に耐える心の弾力性〕 を説い Read more at location 2297
お前たちはこの試合のためにここにいるんだ」 これは若い選手たちの心に確実に響いた。試合の立ち上がりで早くもソ連代表にゴールを奪われるが、アメリカ代表は盛り返し、最後は四対三で強豪ソ連に勝つのである。氷上の奇跡として知られる試合
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公園の滑り台を滑り降りる程度の何でもないことまで一様に「すごいね」と褒める。 忍耐が学問の対象となってからまだ日が浅いが、人が間違いや挫折、損失や失望の情動的な側面と付き合う手だてを必要としているのは明らか Read more at location 2320
心のレジリエンスのようなものが必要なのだ。その点で、学習のプロセスは情動コントロールのプロセスとも Read more at location 2322
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友人との口論でも、マシュマロを食べたいという願望でも、ラベルづけすることをブラケットは勧める。「自分は今、友達に腹が立っている」とか「自分はあのマシュマロがおいしそうだと思っている」などと自分に語りかけるので Read more at location 2325
このような情動への対処にはしばしば自分への励ましが求め
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自分への語りかけには二人称の「あなた」のほうが一人称の「私」より効果があることが研究で証明されている。なぜか。二人称のほうが信頼がおけそうだ Read more at location 2332
情動のレジリエンスは社会とつながっている感覚、集団的な連帯感に負うところが大きいと
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子どもたちがマシュマロの誘惑になかなか抵抗できなかったのは、友達と一緒ではなく一人で部屋に招き入れられたから、支えてくれる人がいなかったためだ。 Read more at location 2336
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努力の要る自制から努力を
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挫折が本当に役に立つと信じられるか、で
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言葉が「生まれ派」が「育ち派」に変わるきっかけになると語っ
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親が子どもの努力を褒めても、それが必ずしも子どもに「育ち派」の思考態度を促すわけではなかった。 もっと大事なのは子どもが失敗したときの親の実際の反応だった。親が失敗を「生まれ派」のように能力が足りないせいだと言う ★
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一方で、成果にこだわり、一定のレベルの達成をめざす場合もある。自分にはできるのだと周りに証明せずにはいられない。成果に本気でこだわる人は、勝者にならないと気がすまない。こういう人は究極の「生まれ派」だ。自分は遺伝子で当たりくじを引いた、大きな試合で勝つのだと証明し Read more at location 2444
問題は、成果中心のアプローチに偏ると危険だということだ。そうするとタスクが脅威に感じられてしまう。成果至上主義ではタスクに成功しさえすればすべてよしとなる。成功すれば自分は頭が良い、強い、タフだと考える。だが成果至上主義で失敗すると、取り返しがつかない。自分は頭が悪い、弱い、ひよわだと考えて Read more at location 2448
シュートを打つプロセスに心のエネルギーを注いだ。練習を成長の手段ととらえるようにした。ジャンプシュートを外すと自分に質問する。「足はゴールに向いていたか?」、「ちゃんと脚を使ったか?」、「手がフォロースルーできていた Read more at location 2475
ミスにも同じ姿勢で臨んだ。相手にドリブルで抜かれると、その失敗を課題としてとらえた。「どうして抜かれたのか?」、「次からどうすれば止められるか?」 Read more at location 2478
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例えばエアボール〔リングをかすりもせずに外したシュート〕 を打ってしまったとき、私はプロだってリングにすら当てられないことがあるんだと思い出すようにし
Read more at location 2481
練習を分解して一問一答式クイズ風、検索練習風にもしてみた。週一回コートに出るのではなく、毎日コートに入ってスキルの向上に取り組んだ。雨が降ろうが寒かろうが関係ない。たった十五分でもかまわ Read more at location 2490
フリースローはまったく同じ動きで反復練習した。ドリブルを二回して一拍置き、深く膝をかがめてから高く弧を描くように Read more at location 2494
もっとリバウンドがうまくなる方法を学ぶ。毎試合、必ず得点できるよう Read more at location 2496
さらには自分への語りかけを改善し、特に出来が悪かった夜には「たかが試合じゃないか」と自分に言い聞かせた。 Read more at location 2497
ドリッピング技法の実験を行ったのはポロックだけではない」と美術評論家のレベッカ・スミスは『ニューヨーク・タイムズ』で論じている。「しかし粘り強く、系統的にあらゆる角度からこの手法を試し、可能性を追求したのはポロックただ一人だっ
Read more at location 2546
前章ではスキルの伸ばし方、すなわちいかに絞り込んだ練習法が可能かを紹介した。しかし専門家になるには、習熟の領域を広げる必要もある。学習とは知識の発展、専門知識の領域の拡大とも Read more at location 2549
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もっと具体的な例として、要約、つまりある概念を自分の言葉で言い換える行為を考えてみよう。学習という活動をしていると、一連の質問を自分に問いかけないわけにはいかない。「重要なのはどこか?」、「この概念をどう言い換えできるか?」。このような問いかけは重要だ。最も大事な概念を要約することによって、その概念への理解が深まり、その概念に意味が生まれる。この行為は成果に明確なプラスの効果をもたらすことがわかっている。 Read more at location 2558
話を進める前に正直に言っておこう。学習者は、ある分野を発展させたり、新しい概念や分野を生み出したりする専門家とは違う。ほとんどの人はポロックのように、画期的に新しい絵画の形を開拓するわけではない。だがスキルに肉付けをし、専門知識の領域を拡大させれば、すべての人の学習の質が上がる。 Read more at location 2568
マイルスは自叙伝でこう書いている。「自分自身の何かを創造していると、限界が取り払われる」
Read more at location 2603
また連想形成にもトライした。別の言葉や概念を使ってその概念を説明できるかやってみたのだ。「自己説明で行っているのは主につながりの形成です」とロスは話してくれた。「ああわかった、これはあれにつながる Read more at location 2623
質問することも知識を発展させるまた別の方法である。なぜか。テーマがわかっている場合、「なぜ」を問う質問はそれほど難しく Read more at location 2630
なぜ」を問う質問がとりわけ役に立つのは何かを読んでいるときだ。テキストからの学びを豊かにするために、「なぜ」を問う質問を頻繁に自分に投げかけるべきだ。なぜ著者はこのように主張しているのか? なぜ著者の話を信じるべきなのか? これが大事なのはなぜか? Read more at location 2642
だが議論には専門領域の拡大に対して別の角度からの効果もある。議論することによっていやでも推論という思考法に深く関与するからだ。論理に正面から立ち向かわなければなら Read more at location 2669
推論は理解を促す。人は判断するとき、つながりを構築している。物事がどう関わり合うのかを理解すると、知識の質が高まる。多少のつまずきが学習に役立つ理由はこれで説明がつく。問題を解決する方法を考えさせてくれるから Read more at location 2672
こなせるかどうかを判断するには、紹介状や経歴や筆記試験などの確実なデータのほうがずっと重要である。 問題は面接が「採用活動に適切であると感じられる」ことだとニスベットは Read more at location 2681
証拠を吟味したからといって正しい結論に至るとは限らない。そこはやはり専門家の仕事だ。しかしさまざまな証拠を慎重に比較検討すれば学びは Read more at location 2689
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ポロックがロングアイランドの古い納屋のアトリエで二〇世紀を代表する作品のいくつかを制作したことを本で読むのと、アトリエに足を踏み入れて、つい前日の朝まで彼がそこにいたかのように床に残る青い足跡を見るという具体的な体験はまったく
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学習を実際に応用すると、理解の空白に気がつく。例えば凧の設計プロジェクトに取り組んでいるとき、うまくいっていない場合はすぐわかる。凧が揚がらないからだ。すでに見たように、自分に関連性があると思えばモチベーションも Read more at location 2780
学習を発展させるとき──知識を応用するとき──学習は統合されていく。専門知識がより豊かな知識体系の一部になるのだ。知識を応用すると、そのテーマを全体の一部として理解することが Read more at location 2783
生徒は凧の作り方を学びながら物理学、数学、工学を総合的に勉強する。石鹼の製造法と販売法を学べば、化学、ビジネス、マーケティングに取り組むことになる。
Read more at location 2785
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シミュレーションが学習に役立つことにははっきりしたエビデンスがある。ある研究者グループが、シミュレーションを使うなど学習者に行動を促すタイプのオンライン学習の授業と、従来型のオンライン学習プログラムを比較したところ、前者の関与型のアプローチのほうが約六倍も成果が高くなることがわかった。 Read more at location 2812
Read more at location 2821
教える人数の規模には関係なく、教えることによってその専門知識の理解は深まる。 研究者の世界では「プロテジェ効果」と呼ばれる Read more at location 2833
Read more at location 2835
これから人に教えると信じ込まされた被験者グループのほうが、これから試験を受けると思った被験者グループよりも学習成果が高かっ
Read more at location 2843
人に教えるとき、私たちは価値や意味、情熱や喜びについて考える。生徒に車両管理局〔車両登録や自動車税の納付など自動車関連の手続きを行う州政府機関〕 の長蛇の列に並んでいるようなげんなりした気持ちで机に向かってほしい人などい Read more at location 2847
どうすれば概念やスキルに生徒との関連性を持たせられるかを Read more at location 2849
さらに人に教えることは繰り返しをともなう。相手がぽかんとしていたら、その概念をもう一度説明 Read more at location 2851
前提となる知識でつまずいていたら、そこをおさらい
Read more at location 2853
しばらくすると、サイトで質問に答えていたおかげで新しいテクニックや視点が身についてきたのに気づい Read more at location 2864
スキルを増やすために「少しだけ難しい質問に背伸びして回答するようにしているんです」と Read more at location 2868
それはおかしいです」、「こうしたら可能かもしれません」など。 言い換えれば、ファインマンはボーアに、教えることを通じて理解を深めるよう促したのだ。 Read more at location 2888
これは不思議な偶然などではない。知識領域の拡大にはある種の創造性が求められるのだ。はっきりと定義されないものや不確実性を受け入れる感性が必要である。実際に、専門知識の領域を不確定であいまいな、発見や探求の余地があるものだと考えている人ほどよく学べるという研究結果も Read more at location 2895
学習とは単に情報を集めること、確固とした手順を確立することだという思い込みがあったら、考えをより深め、習熟していく理由はなくなって Read more at location 2899
ある分野の権威にとって、あいまいな部分はあって当然である。専門知識はたえず変化しているの Read more at location 2902
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知識経済」は「思考経済」に変わった。つまり、成功するには従来よりもつかみどころのない形の知識が必要になっている。決まりきっているように見えるかもしれない学問分野も、実はそれほど決まりきった世界では Read more at location 2913
アメリカは第二次世界大戦に勝ったときと同じやり方ではもう戦争に勝てないだろう。戦闘や進軍の方法が決まっていた時代は終わっ
Read more at location 2919
毎日変化させている。「実のところだんだん難しくなってきました」とランコは語った。「靴紐の結び方のパターンには限りがあるようですね」 このアプローチによって頭がやわらかくなるとランコは主張する。小さな違いを意識するようになるのだと Read more at location 2926
自分の思い込みを疑わせるところである。例えばランコは、高速道路を使ったからといって職場に早く着くとは考えない。右利きだが、右手のほうが左手よりうまくひげが剃れるとも考え Read more at location 2932
車で最短時間でどこかに行くなら、確実に正解はある。だがその核にある精神は重要だ。効果的な学習には不確実性が必要であるということ。学ぶ者はあいまいさを受け入れなければならないこと。スキルや知識についての考え方が変化するのを前提として、専門知識は成立して Read more at location 2936
別の視点を考えると、理解の形に繊細な深みが出るからだ。例えばソビエト連邦崩壊について学ぶ場合 Read more at location 2939
ソビエトの指導者ミハイル・ゴルバチョフは状況をどのように理解していたのか。アメリカ合衆国大統領ジョージ・H・W・ブッシュはどうだった
Read more at location 2941
人がこの考えを信じているのはなぜだろうか。間違っているとしたらその理由は何か。別の説明ができるとしたらどういうもの Read more at location 2944
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例えばヨットの操縦に苦労していたら、その行為を引き伸ばしてこう自問することができる。「そもそもなぜ風によってヨットが動くのだろ Read more at location 2948
具体化して学ぶ方法もある。「風のある状況で舵をどう操ればよいだろう?」、「スピードの出ているヨットを減速するにはどうすればよいのか?」
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自動車の購入や転職など、何らかの意思決定をする際、彼は多様な背景を持った友人たちに相談するようにして Read more at location 2998
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インターネットのおかげで、まったく異質な人同士がつながるコストがほぼゼロになっ Read more at location 3013
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私が主張してきたのも、より豊かな学びには一種の懐疑主義が必要ということだった。専門知識を習得し、知識を発展させるためには、疑いがなくてはなら Read more at location 3040
高度な技術をすべてマスターしようとは思わなかったとポロックは認めて
Read more at location 3049
戦うべき戦い、先頭に立って立ち向かうべき反逆の対象があった。常にゆるぎない自信にあふれていたわけではない。ポロックは精神を病み、泥酔状態で交通事故を起こして死ん
Read more at location 3050
少々の野心と大きな反抗心とともに、自分には言うべきことがある、それを言ってみせるという信念があっ
Read more at location 3052
だから一〇という数字を考えるとつられて低めの数字を発想し、六五という数字を考えると高めの数字を発想
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思考実験は古代ギリシャの時代からあり、一般的にはあるアイデアをじっくりと考える手段である。思考実験は、スキルや専門知識がどのように一つの体系を構成するのかを理解させて Read more at location 3100
Read more at location 3102
リッチランドは長年にわたり数学から歴史まで幅広い学問分野を調査したすえにこの考えに至り、知識習得とは突き詰めれば知識構造同士のつながりを理解することである、と証明した。「高次思考力の土台にあるのは結局、関係性を推論する力なの Read more at location 3121
例として、海についての学習を取り上げよう。水温や海の容積など、個別の事実にこだわる人も
Read more at location 3133
するだけではいけません」とリッチランドは語った。「効果的な学習を行うためには、原因、類似点、相違点を探すべき Read more at location 3137
関係性を探す最も重要な利点の一つは、おそらくその分野の奥に潜む構造への洞察が得られることだろ Read more at location 3177
Read more at location 3214
Note: →システムと関係性って、同義というか類義を持つだろうか。
Read more at location 3220
練習には変化をつけ、反復を避けるべきだ。「いちばん良くないのは同じ練習を複数回、連続して行うことです。これは絶対に避けなければなりませ Read more at location 3226
論文を混ぜ合わせたほうが洞察が深まる。つまりまず独立戦争の論文、次に南北戦争の論文、そして冷戦の論文、これをもう一巡するのである。なぜか。論文を混ぜれば、個々のテーマ同士のつながりに気づくからである。 Read more at location 3230
★Note: →こまかい部分の事実情報がごちゃごちゃにならないだろうか? つまりこの方法は、通り一遍の明快すぎるイメージくらいは、あらかじめ学習者の中にある場合にこそ有用なのでは? 木工ならいろいろな道具を試し、オーク材、パイン材、モミ材など多種類の木材で練習するだろう。 だがたいていの人が経験する練習や具体例の多様性ではとうてい不十分なので Read more at location 3234
例えばゴールドストーンの実験では、被験者が深部にある構造をようやく学んだのは六問もの問題に取り組んだ後だっ Read more at location 3236
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心理学者のブライアン・ロスは、自分が発見した深部の構造を明確にしておくとよいと勧める。ロスの研究では、課題の隣に概念──つまり深部の構造──の名称を書いておくと、問題を解くのがはるかに容易になることがわかった。 Read more at location 3242
同様に私が今度、王様と七人の娘と五つの国の問題に出合ったら、「復元抽出」と書きとめておこ
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例えば、次の質問を考えてみよう。「これから一生、口が利けなくなったらどうなる?」。単純に「はい、いいえ」で答えられる質問では Read more at location 3262
若い恋人たちが死ななかったとしたらどうなるかを考えてみるとよい。キャピュレット家とモンタギュー家の確執は続いただろうか? 恋人たちは結婚できただろう
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研究してパターンを見つけ出し、モデルを探し、他の画家たちがスケッチやイラストレーションをどう構成しているのかを理解しようとして「もし彼らのアプローチを自分がとったらどうだろうか?」、「自分のスケッチはどう見えるだろう?」、「どこが違うだろうか?」と自問していた。 Read more at location 3325
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細かい部分でつまずいてしまう。認知的負荷がかかりすぎ、貧弱な成果しか出せない。 しかしコンテンツと行き届いたガイダンスというしっかりした基盤があれば、ハッキングによってスキルを Read more at location 3346
迅速に行動せよ、破壊
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頭の中で対比を行った。過去に経験したマツダ車か同等の車のブレーキ音の問題を考えた。要するに似たようなもののことを考えたので
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アナロジーは、関係づけを行う思考の一種に見えるかもしれない。だが学習という観点から見ると、アナロジーというアプローチはそれだけでは終わらない。アナロジーの本質は比較で Read more at location 3460
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クロスレーは授業で間違った内容の本や記事を好んで課題に Read more at location 3569
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レンヌ=ル=シャトーの謎』で著者たちは、イエスとマグダラのマリアは互いを知っていたから、結婚して子どもを作ったに違いないと主張している。 だがこの主張では二つのまったく別種の行動──知り合うことと結婚すること──を一緒くたにしてしまって Read more at location 3607
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これで赤血球数、心臓にできた腫瘍、喀血、すべての説明がつく。「診断とは要するにさまざまな事実を組み合わせる能力と言えるでしょう」と彼は述べ Read more at location 3669
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トイレの仕組みをどれだけよく理解しているか、自分を一から一〇で評価してほしい。
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Note: ⇒ちょっと、『知ってるつもり』を検索してくる。 →「マークマン」でヒットは無かった。 Read more at location 3790
だからあなたは自分のトイレの知識を六と評価するかもしれない。だが実は、おそらく四なの
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わかりませんと肩をすくめるのはきまりが悪い、ということもある。認めるのは悔しいが、私にも自分を過信して失敗をした過去が Read more at location 3805
数年前にカリフォルニア州議会で行った講演は州の方針から外れすぎていて、ある議員から冗談半分に、素手で決闘を申し込みたいと言われてしまっ
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何度も見聞きしたことがある場合──人は実際には知らないのにそのことについて自分はわかっていると思いやすい。トイレについて過信してしまうのはそのため Read more at location 3809
教え上手な先生を見分ける能力について過信してしまうのも、長年生徒としてたくさん授業を受けてきたからだ。 Read more at location 3811
大きな写真つきの記事を読むと、内容が理解できたと思い込みやすい。学生たちを魅了する授業を行う教授を見ると、この先生なら学生の学習成果も高いだろうと考える。実際はそうでなく Read more at location 3813
動画の多くは再生回数一〇〇〇万回を超える。 ところがマークマンに言わせると、TEDトークは学習には益より害のほうが
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講演の聴き方が問題なのです。一五分間、流暢にプレゼンされたテーマを聴いたら、すぐ次に移って Read more at location 3821
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化学のテストで常に優秀な成績をおさめていたら、たとえ次の試験が前の試験よりずっと難しいかもしれなくても、試験勉強をしない可能性が Read more at location 3831
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ゲイツがこのアプローチを取った真意はわからない。だがゲイツのような人々が手元に入ってくる情報を注意深く検証する必要があるのは間違いない。第一に、部下は上司に対してイエスマン的にふるまい、上司が耳に入れたいことばかり報告しがちだからだ。第二に、先に見てきた過信がある。人は本当は何もわかっていないのにわかっていると思い込んでしまう。 Read more at location 3926
特定のスキルを身につける際、私たちは自分自身に次の問いかけをしなければならない。「よくわからないと思えるところはないか? 不明な点はどこか? 自分がわかっていることはどうすればわかる Read more at location 3933
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フリーランスの編集者を探してみっちりと批評してもらっ Read more at location 3957
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専門知識の習得は意識的に行わないと発展しないことは、えてして忘れやすい。私たちはみな自問しなければならない。「自分はどうやってわかったのか? 何をわかっているのか? 知っていることを確認したか?」 Read more at location 3963
Read more at location 3965
彼に小テストを使った授業法の問題点はないかとたずねてみた。「質問にみんなが答えたくないとき、しばらく間が空いて気まずくなることかな」と彼は言っ Read more at location 4035
だが世間一般では集中学習があいかわらず幅を利かせている。分散アプローチは普及しておら Read more at location 4109
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長期間に練習を分散するかわりに、半日ですべて覚え込もうとし、大事な概念や情報を復習し Read more at location 4111
それともスピーチを四つのセクションに分割して一日五分、一セクションに集中すべきか(薄いカードの束を四つ使って学習するのに相当する)、である。 実験に参加した被験者たちは薄い束を支持し
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Read more at location 4154
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しかし逆の事実を示すエビデンスが多数ある。たいていはテストの答えを修正したほうが得点が高くなる。もう一度答えを考え抜くと、総じて成果は向上
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コーチ、ビル・ベリチックも、これまでの試合について何時間もかけて考えをめぐらせる。逃したチャンスはなかったか、チームを向上させる方法はないか、改善策はないかを熟考して
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書くという行為は思考を減速させ、熟考を促す。学習の質を上げる一つの方法が日記だ。学習日誌と考えてもよいが、授業や練習でうまくいったことをすべて書きとめるので Read more at location 4180
深い思考である必要はない。「今日のホッケーの授業で、腰をもっと使わなければならないことがわかっ
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ある経験をした後で──あるいは経験している最中でも──「次はどうしようか?」あるいは「もう一度解く問題はどれにしようか?」など、内省を促すような自分への語りかけを行うと、学びの質を上げることが Read more at location 4185
学生にできるかぎり多くの教材を与えます」 しかし学習はそれではうまくいかない。人にはスキルや知識について、集中して考え抜く時間が Read more at location 4194
ここにいる間にやりとげたいことは他にないかと考えさせてくれました」とモーガンは語った。「課題を書こうとすると一歩引いて考えなければなりませんでしたから」。それこそが狙いだっ
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例えばソフトウェアのマニュアルを読む場合、マニュアルを閉じてからのほうが多くの理解が得られる。職場で同僚と議論をした場合も、あのときああ言えばよかったんだということを夜に皿を洗っている最中に思いついたり
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アメリカの中学校の始業時間を一時間遅らせた場合、全国テストの成績がほぼ一段階上がるであろうことを証明した。具体的には、始業時間を六〇分遅らせれば、レベル七の成績がレベル八近くに上昇
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イモーディノ=ヤンは、人は内省に取り組む時間を十分に取らないことが多いと述べた。車の運転やメールのチェックをしながら、完全に集中して取り組んでい Read more at location 4237
もっと意味のある形の理解を可能にする感情の落ち着きや心の落ち着きがない。人は「生産的に心を遊ばせる」ことに取り組むべきだと彼女は主張し Read more at location 4238
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かなりの集中力を要する学習タスクに取り組む前には、まず不安を追いやる工夫をすべきだ。BAMプログラムにいくつか有効なアドバイスがあるが、例えば呼吸を数えるだけでも Read more at location 4302
スナップチャット〔画像アプリ〕 もフェイスブックも、少なくとも数時間はやらないということだ。この考え方をニューポートは「ディープ・ワーク」と Read more at location 4317
携帯電話は「あるだけで」集中力を減退させることがわかっている。つまりテーブルに置いたiPhoneが視界に入っているだけで、タスクへの集中力が低下する。 Read more at location 4344
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どんなツールを使おうと、理解をものにできるかどうかは、あくなき意味の探求にかかって Read more at location 4350
チェックリストの価値を否定する者はいない。自動車修理のようなケースでは、収益を二〇パーセントもアップさせる効果もある。だ
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体系的に理解するよう、自分自身に「もし~だったら」と問いかけることを奨励した。もしこれが作動しなかったら? もしこれが起こらなかったら? もしエンジンが止まってしまったら? Read more at location 4423
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報告書の結論は、少なくとも何かの習得をめざす大半の人々の行動からすると、画期的だった。小テストの価値を力説し、分散学習の大切さを論じていた。「説明を求める質問」の多用や、別々の事例の間に「つながり」を見いだす重要性を説いてい Read more at location 4479
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期待値を示す。学習は困難をともなう。これは避けようのない事実だ。専門知識の習得には努力を要する。これを親、先生、上司の立場から見ると、学習者には支援と励ましが必要ということ Read more at location 4614
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ミスをサポートする。長らく学習者にとって失敗は忌み嫌われてきた。しかし今日では、失敗があってこそ力が伸びることがわかっている。失敗は、うまくいかなかったと思う部分を理解するのに役に立ち、また、ミスによって記憶に残り学習が Read more at location 4639
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学生の過信を防ぐため、カーネギーメロン大学のマーシャ・ラヴェット教授は講義の後で一問か二問の課題を学生に与えることがよくある。この質問をラヴェットは「仕上げ」と呼んでいる。授業の一環として、学生に「自分は何を学んだか? 理解しづらかったのはどこか? わからないと思えるのはどこ Read more at location 4660